RESTRUCTURING PLAN ・ SECOND COMPANY METHOD ・ 社内限り

事業譲渡プラン(第二会社方式)
建堂工業株式会社 / 黒字核の切り出しと過去清算の分離

黒字事業+許認可を受け皿会社へ、過剰債務・滞納公租公課・関連貸付・偶発債務は旧会社に残す

作成 2026-05-30 / GRエステート株式会社 / 社内検討用の戦略フレーム。実行は弁護士・税理士・認定支援機関の関与が必須。
精査DDの結論は「事業(特に警備の黒字核と許認可)は生かせるが、過去の膿(実態債務超過△8,267万・滞納公租公課約1.1億・関連貸付1.56億・簿外資金)が重すぎる」。この two-sided な状態に最も適合する手法が第二会社方式である。健全事業を受け皿会社(Newco)へ適正対価で譲渡し、旧会社(建堂工業)は過剰債務とともに特別清算・私的整理で処理する。本書はその設計と、実行上の重大論点(特に租税の追及・詐害行為)への対策を示す。
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全体ストラクチャー

受け皿会社(Newco・Good)

  • 警備事業(仙台除く黒字核・大手ゼネコン固定客)
  • 各種許認可(建設業・産廃・運送等/承継 or 再取得)
  • 土木(残土案件)※受注確定を条件に移管
  • 移籍する従業員・必要設備(適正対価で取得)
  • 出資:投資家(ケース/GR)+(必要に応じ現経営)

旧会社(建堂工業・Bad)→ 清算

  • 金融機関借入 約2.64億(リスケ中)
  • 滞納公租公課 約1.1億(優先債権)
  • 関連貸付 1.56億(MD貸倒・回収困難分)
  • 偶発債務(建築承継の修繕責任 等)
  • 簿外資金(ケース注入分)→ 是正して整理
  • 繰越欠損金5,193万(※Newcoへ原則引継不可)
▼ 適正対価での事業譲渡(譲渡代金=旧会社の弁済原資)
狙い 投資家は健全事業(Newco)にのみ出資し、過去の過剰債務・税滞納・簿外から法的に遮断される。旧会社は譲渡代金と残資産を原資に債権者へ配当し、特別清算/私的整理で幕を引く
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何を移し、何を残すか

項目Newco
へ移す
旧会社
に残す
論点
警備事業(黒字核)顧客契約のチェンジオブコントロール条項を確認
許認可(建設業・産廃・運送)事業譲渡=原則再取得。会社分割なら承継可
土木(残土案件 年3億)受注確定が条件。運転資金手当てとセット
従業員(必要人員)転籍同意・労働条件の承継
事業用資産(設備・車両)適正時価で取得(廉価譲渡は否認リスク)
金融機関借入 2.64億譲渡代金で一部弁済、残は債権カット交渉
滞納公租公課 1.1億最重要(後述)。租税は追及されうる
関連貸付 1.56億MD貸倒、他は回収して配当原資へ
偶発債務・簿外資金簿外は是正のうえ旧会社で整理
繰越欠損金 5,193万Newcoへ引継不可(税メリットは消滅前提)
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スキーム選択:事業譲渡 vs 会社分割

論点事業譲渡(推奨)会社分割
債務の遮断移転対象を個別に選べる=不良債務を遮断しやすい包括承継。分割の設計次第で債務が付いてくる
許認可原則 新会社で再取得(or 承継制度活用)承継しやすい
詐害・否認リスク適正対価なら相対的に低い債権者異議・詐害的会社分割の論点が強い
手続スピード比較的機動的官報公告・債権者保護手続が必要
推奨:原則「事業譲渡」 不良債務の遮断を最優先するため事業譲渡を基本線とする。ただし建設業許可の継続性が事業価値の核であるため、許可の承継方法(譲渡+新規/承継認可、または一部会社分割の併用)は許認可の所管部署・弁護士と早期に詰める
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実行を左右する4つの重大論点と対策

① 租税の追及(国税徴収法)── 第二会社方式の最大の関門 滞納公租公課(約1.1億)は優先債権であり、事業を譲り受けた者が同族・特殊関係者で、かつ廉価譲渡の場合、譲受人(Newco)が第二次納税義務を負うリスクがある(国税徴収法)。対策:(a) 譲渡対価を必ず適正時価とし第三者評価を取る、(b) Newcoの出資構成に独立した投資家(ケース/GR)を入れ“同族色”を薄める、(c) 税務署と納付計画を事前協議。ここを外すと「膿を残したつもりが新会社に追いかけてくる」。
② 詐害行為・否認リスク 旧会社の債権者を害する廉価譲渡は、詐害行為取消・否認の対象対策:適正対価(第三者評価)+譲渡代金を旧会社の弁済原資に充当+主要債権者(銀行)の同意取得。認定支援機関・弁護士関与の私的整理(中小企業活性化協議会等)の枠組みで進めると安全性が高い。
③ 許認可の継続性 建設業許可・産廃許可が事業価値の核。譲渡実行前にNewcoでの許可取得/承継の段取りを確定(無許可期間を作らない)。技術者・経管要件の人員もNewcoへ確実に移籍させる。
④ 簿外資金・繰越欠損金 簿外資金(ケース注入分)は譲渡前に正規計上・是正し、旧会社で整理(簿外のまま譲渡しない)。繰越欠損金5,193万はNewcoへ引継不可のため、税メリットはバリュエーションに織り込まない。
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投資家(ケース/GR)のポジションとリターン

資金支援メモとの接続 先の判断メモで「単なる赤字補填の簿外支援はNG」とした。本スキームは、その支援を“Newcoの持分・優先弁済”に転換する出口を与える。追加支援を出すなら、この第二会社方式の枠組み合意とセットにするのが合理的。
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旧会社(建堂工業)の処理

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実行ステップ(目安)

STEP 1〜1ヶ月

専門家チーム組成(弁護士・税理士・認定支援機関)。簿外資金の是正、財務の実態確定、残土案件の受注エビデンス確認。

STEP 21〜2ヶ月

Newco設計(移管範囲・適正対価の第三者評価・許認可段取り・出資構成)。租税の第二次納税義務・詐害リスクの法務チェック。

STEP 32〜4ヶ月

金融機関・税務署との事前協議(譲渡代金の弁済充当・残債処理・納付計画)。主要債権者の同意取得。

STEP 44〜6ヶ月

Newco設立・許認可取得 → 事業譲渡実行(従業員転籍・契約移管)。投資家出資の実行。

STEP 56ヶ月〜

旧会社の特別清算/私的整理で残債処理。Newcoで黒字核を運営、残土案件を立ち上げ。

必ず守る原則(失敗しないための3点)適正対価+第三者評価(廉価譲渡は否認・第二次納税義務の引き金)。② 主要債権者(銀行・税)の合意の上で進める(無断の資産移転はしない)。③ 簿外をクリーンにしてから移す。この3点を外すと、第二会社方式は「逃げ」とみなされ逆に致命傷になる。