CONFIRMATORY DUE DILIGENCE

確認DD 3項目 深掘りレポート

建堂工業株式会社|投資判断の生命線となる未確認3点の検証

作成日 2026-05-30 / 出典:経営改善計画書 本文・計数計画(R8/5基準)、部門別PL、法人税申告書 / 単位:千円
投資家向け再建計画で「実現可能性を左右する」と整理した3つの未確認事項を、経営改善計画書(本文・計数計画)まで降りて検証した。結論として、2点は計画書内で正体が判明し、1点(土木売上の回復根拠)が投資判断の最大の鍵であることが明確になった。
1

土木の単独赤字幅判明

「土木は赤字部門」は本当か。部門別PLで分解した。

土木部(R7/5実績)金額
売上高577,459
業務原価562,739
売上総利益14,7202.5%
部門 販管費9,489
営業利益(部門単独)+5,230+0.9%
本社共通費 配賦△30,907
営業利益(共通費配賦後)△25,677△4.4%
EBITDA(共通費配賦後)△24,778△4.3%
核心:土木は「単独では薄い黒字(+523万)」だが「本社共通費3,091万を負担しきれず△2,568万の赤字」 赤字の正体は土木事業そのものの不採算ではなく、①粗利率2.5%という極端な薄さと、②売上規模に対して重い本社共通費の配賦。本社経費を全社売上規模に見合うレベルへ落とせば、土木の配賦後赤字は構造的に縮小する。
出典:計数計画「部門別PL(土木部)」、本文 正常収益力分析(修正項目 I-⑤)、アクションプラン項目18
2

ウエスト案件の継続性最重要・要確認

深掘りで論点が「ウエスト依存」から「土木売上回復の根拠」へ移った。

土木部 売上計画R7/5実績計画0期
R8/5
計画1期
R9/5
計画2期
R10/5
売上高577,459540,740950,0001,100,000
前期比93.6%175.7%115.8%
営業利益(配賦後)△25,677+4,364+50,932+18,272
計画黒字化の生命線=土木売上を 5.4億 → 9.5億(前期比175.7%)へ“ほぼ倍増”させる前提 計画1期の全社黒字化は、この土木の急回復に全面依存している。ここが崩れると計画前提そのものが崩れる。

では何がこの倍増を支えるのか。アクションプランを読むと、依存先は「ウエストの継続」ではなかった。

DDの結論:検証すべきは「ウエストが切れるリスク」ではなく「ウエスト減少を補う新規残土案件の受注確度」 計画書は「受注がほぼ確定の案件が1件、引き合い複数」と記載するが、契約書・発注内示・基本協定書の現物が未確認。この年10億円規模の新規案件が取れなければ、土木9.5億は未達となり計画前提が崩れる。最優先の確認項目。
出典:計数計画「部門別PL(土木部)」、本文 アクションプラン項目10・11(②既存事業の収益力強化)
3

計画に織り込まれた特別損失の中身判明・無害

「貸倒処理の可能性」という仮説を、金額・相手先まで特定した。

全社(計数計画)計画0期
R8/5
計画1期
R9/5
計画2期
R10/5
経常利益△27,079+39,538+28,008
特別利益+73,123+400+400
特別損失△2,135△49,263△400
税引前当期純利益+43,907△9,325+28,008
正体:MEETING DEMAND社(MD社・休眠関係会社)の特別清算に伴う貸付債権の貸倒処理 計画1期の特別損失 約4,926万(うち貸倒損失 48,863千円)は、関連貸付1.57億の一部であるMD社向け債権の損失処理。計数計画の注記に「MD社清算に伴う貸倒損失を認識」、アクションプラン項目4に「計画1期に特別清算を実施、同社宛債権の貸倒処理を行う。債権残高48,863千円に対する税効果16,410千円が創出」と明記。
出典:計数計画 全社PL(特別損益・注記)、本文 アクションプラン項目3・4(①事業部門・関係会社の整理と資金創出)

深掘りで併せて確定した周辺ファクト

28,075千円
正常EBITDA(3期平均・実力値)
マージン3.0%。ヘッドラインより辛い
263,603千円
借入金残高(串カツ売却反映後)
福島信金53.3%/大東23.6%他
10年以内
債務償還年数の目標
計画2期からFCFの60%で返済

投資実行前に取得すべきエビデンス(残作業)